食費節約に一番効くのは、“安い商品を探すこと”ではなく、
食品の仕組みを理解して“賢い買い方”をすることです。
見切り品、処分品、消費者的には素敵な響きです。(売る側からするとトホホですが
しかし「賞味期限のつけ方」は一般的にはあまり知られていません。
正しく理解することで節約にもフードロス削減にも繋がります。
■ 賞味期限は「安全期限」ではない
実際には“メーカーが安全を見て決めている期間”
よく誤解されている「賞味期限」について。
【賞味期限の定義】
「おいしく食べられる期間」
(食品が安全に食べられるかどうかとは別)
つまり、過ぎたら即アウトではないということです。
■ 賞味期限はどうやって決めている?
食品メーカーは、開発した新商品について “どれくらいもつか” を評価します。
【賞味期限の決め方(ざっくり一例)】
- 0ヶ月、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月…
と一定期間ごとに保存試験 - 香り・味・色・粘度などを評価
- 菌検査
- 「品質に問題が出る最初のタイミング」を確認
- そのタイミングより前に、安全側で“短めに設定”
メーカーとしては「ギリギリのライン」ではなく
消費者が安心して食べられるように余裕を持たせるのが基本。
(補足:実際に想定賞味期間分を保管して評価するのが一番正確ではありますが、実際それでは売るまで果てしない開発期間がかかってしまうため、通常よりも過酷な条件(常温よりも高い温度帯など)で加速評価を行うことも一般的です。)
■ 専門家の本音:賞味期限は“バッファ込み”
食品により差はありますが、
賞味期限には ある程度の余裕が必ず含まれています。(安全係数)
【例:】
- 缶詰・レトルト食品、飲料(茶、コーヒーなど) → 数ヶ月以上の余裕
- スナック・お菓子 → 数週間〜数ヶ月の余裕
- 麺類・パン → 余裕は短め
※腐敗する食品ではないため 賞味期限切れ=食べられない ではありません。
■ 食費節約に使える「賞味期限の賢い考え方」
【1】賞味期限切れ近くの“値引き品”は本質的に安全
先述の通り、品質劣化(風味の低下)はあっても、健康リスクが急に高まるわけではないです。
むしろ、「みんな安全を見て設定しすぎ!もっと安全係数を緩和してフードロス削減しようよ!」という検討がなされ、ガイドラインが今年見直されたところです。
食品期限表示の設定のためのガイドラインの見直し検討会取りまとめ
(上の記事を見て、「見直されるってことは今後は余裕なくなるんじゃないの??」と思った方はなかなか鋭いですが、そもそも賞味期限は食品安全のために設けられているものではなく、またそんなにすぐ劇的に変える日本のメーカーは少ないでしょう。日本人なので。)
【2】“回転が速い食品”は期限を気にしなくてよい
商品次第ですが、一般的に
・缶飲料
・レトルト食品
などは、賞味期限が比較的長いです。つまり劣化が遅いということなので、安心して期限を切らせます(?)。
参考:日本の場合、賞味期限のみが表記されていて製造年月日は不明なケースが圧倒的に多いですが、ちなみに中国だと製造日が印字されていて、パッケージの表示に賞味期間が明記されていたりします。日本だと結局その商品の賞味期間がどれだけなのかはわからないため、表示欄で書いてくれるのは便利そうだなあと思ったりします。
→追記:日本でも昔は製造年月日の記載がルールであり、その後品質保持期限という表示になり、現在の賞味期限表示、という変遷がありました。今となってはマニアックな知識ですね。
「品質保持期限と賞味期限の用語の統一について」
【3】「消費期限」の食品は期限厳守
- 弁当
- サラダ
- 生菓子
- 牛乳
等、賞味期限ではなく消費期限が設定されている食品については、期限を超過すると食品安全のリスクが高まっていくため、基本的に食べてはいけません。
(その分安全率もしっかりあるだろ!と私はしばしば消費期限切れでも食べたりしますが、我ながら褒められたことではありません。惣菜や弁当、生ものなどは特に消費期限の設定根拠が想像つかないため、きっちり期限を守っています。ここは節約よりも安全をとりましょう。)
【4】常温の商品も冷蔵保管する
これが一番本質的じゃないかと思います。
上に書いた通り賞味期限は、「つくりたてから時間が経つに連れてだんだん美味しくなくなっていき、一定のラインを超えるまで」を考えて設定されています。そして温度を上げて加速評価をすることがあるとも書きましたが、逆を言えば冷蔵しておけば変化しづらいということです。
当たり前といえば当たり前なんですが、案外見落としやすいポイントです。冷蔵庫に余裕がある人は、とりあえず冷蔵保管しておけば通常よりも劣化少なくいただくことができます。注意点としては、冷やすと結露しやすくなり、湿気が入ると保管性に悪影響を与えることも考えられるので、一度で食べきらずに開けたり閉めたりする常温保管可能な食品については素直に常温に置いておいたほうがよさそうです。
■ まとめ
- 賞味期限は“安全期限”ではなく“おいしさ基準”
- メーカーは余裕をもって設定している
- つまり、その安全係数を逆算すれば攻めた消費活動が可能となる。
最後になりますが、期限切れを攻めすぎて体調不良等起こされても当方は一切の責任を負えませんので、実行される際はよく考えて自己責任でお願いしますね!!
書いていて思い出しましたが、昔旅行先で立ち寄った小売店では、賞味期限が切れて初めて「見切り品」シールが貼る、という運用をされていました。攻めすぎていて当時は興奮したものですが、あれ、今思うと理にかなっていましたね。消費期限を過ぎている場合は、安全に懸念がある食品を販売することになるので食品衛生法に引っ掛かりそうですが、賞味期限となるとそうもいかないので合法?だし。


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